仙台高等裁判所 昭和26年(う)429号 判決
所論に鑑み原審の取調べた証拠を仔細に検討し当審における事実取調の結果をも参照すれば、原判示犯行当日に於ける被告人が飲んだ酒の種類と量、犯行直前直後に於ける被告人の動作、被告人の犯行の態容、犯行の翌日たる昭和二十六年一月三日司法警察員に対してした供述の内容等を考量すれば、被告人は原判示犯行当時酩酊の為理否曲直を弁別する精神的機能に著しく障害を来して居たことを窺知し得る。即ち被告人の状態は所謂心神耗弱であつたと認むべきである。原判決は之を輙く心神耗弱でないと認めたのであるから原判決には刑減軽の原由たる事実に誤認が存するのであつて、此誤認は判決に影響を及ぼすことが明であり、原判決は破棄を免れぬ。